東近江の史跡を訪ねる
10月22日(土)
8:10 蛍池駅前-彦根IC-多賀大社-荒神山古墳-近江八幡千里庵(昼食)-林ノ腰古墳-御上神社-建部神社-膳所茶臼山古墳-大津IC-蛍池
10月8日(土) 例会 「歴史学からみた4・5世紀のヤマト政権と近江」 塚口義信
に連携した企画です。
荒神山山頂の荒神山古墳は犬上の君、膳所茶臼山古墳は建部の君の墳墓か。どちらも三段築成にて大王家ないしはその関係者 の要素をそなえている。詳しくは塚口先生の例会の講義を『つどい』にて紹介いたします。
案内
塚口義信先生(堺女子短期大学名誉学長・名誉教授)
中司照世先生 (前福井県埋蔵文化財調査センター所長)
関連論文
『つどい』277号 「考古学からみた3~5世紀の近江」
近江における三段築成の古墳は4基(下図)。そのうち荒神山古墳と膳所茶臼山古墳を訪ねる。
(当日の見学資料より)
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中型バス2台に分乗して蛍池駅前より出発
■多賀大社
多賀大社
祭神 伊邪那岐大神、伊邪那美大神
■荒神山神社古墳
荒神山(284m )が見えてきた
荒神山古墳(墳長124m 前方後円墳、三段築成)はこの山頂に築かれている。
倭建命(ヤマトタケルノミコト)を祖とし、麛坂・忍熊皇子側の将軍となった犬上氏の族長の墳墓の可能性を探る。
登山道へ
頂上より見た琵琶湖の眺望
「荒神山神社」
祭神 火産霊神、奥津日子神、奥津比売神
配神 瀬織津比咩、速秋津比売神、気吹戸主神、速佐須良比咩神
荒神山丘陵周辺部遺跡分布図(当日の見学資料より)
荒神山古墳墳丘測量図 (上の図4・図7は当日の見学資料より)
上図T6トレンチ付近にて中司先生の説明
前方部T2あたりから
後円部は墓地となっていた
塚口先生と加古川山本善輔先生(95歳)
■近江八幡・千里庵
山を下り近江八幡にて食事
以下、継体21年(527)に新羅に派遣され対馬で病死した近江毛野臣の墳墓の可能性について。
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中司照世「考古学から見た3~5世紀の近江」『つどい』277号より抜粋
従来5世紀後半とされてきた大型前方後円墳(墳丘長90メートル)である野洲市林ノ腰古墳の造営時期を、埴輪の再検討から6世紀前半に改め、『日本書紀』において韓半島への派遣や活躍が伝えられている近江毛野臣の墓ではないかとする辻川哲朗氏の新説〔辻川2010「近江・林ノ腰古墳の再検討」『同志社大学考古学研究会50周年記念論集』〕である。
本古墳は、平地に立地し周濠を巡らす。墳丘は、削平のため段築の有無こそ不明であるが、周濠も 二重であって、造出・葺石・埴輪を備えるなど、後期としても異例の傑出した様相を呈している。諸設備を兼備するなど陵墓に近似するその様は、『日本書紀』上において、その動静が特記されている大豪族が被葬者ではないかとする想定と整合している感が強く、注目すべき見解といえよう。
今一つは、当地における古墳分布の集中域からは離れているが、彦根市荒神山古墳(同124メートル)と大津市膳所茶臼山古墳(同120メートル)の、ともに丘陵上に点在する2基の大型前方後円墳に関する新展開である。前者については、犬上郡に所在することなどから、犬上の君に関連する古墳ではないかという想定を以前述べた。同様な意見は滋賀県内の2、3の研究者によっても指摘されている。
両古墳は、近江でも稀な三段築成であり、また現状からみる限り、後続する同様な首長墳の存在を確認しえない(注6)、という共通の特徴が窺える。その他の諸条件を含めて検討すれば、塚口義信氏が説く4世紀末の香坂王・忍熊王の反乱〔塚口義信1993「佐紀盾列古墳群とその被葬者たち」『ヤマト王権の謎をとく』〕に関連する存在の蓋然性が濃厚と考えざるをえない。ともあれ、こうした点については、いずれ改めて同氏が論究されるであろうから、ここでは触れるに止める。
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この付近は渡来系の人たちが住んでいたいとされる。三段築成にて周濠を巡らす野洲大塚山古墳や桜庭史跡公園内にあって阿蘇ピンク石石棺をもつ円山古墳・甲山古墳 が近い。→野洲銅鐸博物館を・桜庭史跡公園を訪ねる
■御上神社
御上神社から三上山の眺望
孝霊天皇の時代、天之御影命が三上山の山頂に降臨し、それを御上祝が三上山を神体(神奈備)として祀った。
古くから我が国鍛冶の祖神と崇められ、浄火守護の神、すなわち日本第2忌火神として崇敬されている。
神仏習合のなごりを留める神門
■建部大社
建部大社
瀬田川
■膳所茶臼山古墳
膳所茶臼山古墳
国土地理院の航空写真からみた膳所茶臼山古墳
塚口先生は反神功・応神方の将軍、建部の君の前身の首長の奥津城とされる。
管理人注 小碓命(倭健命)の子稲依別王が犬上の君、建部の君の祖
湖畔暮景
■資料
近江の古墳(『つどい』277号)
近江における主要首長墳の変遷
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